① の続きです。
▼ 前回の記事はこちら
今回は、入院中につらかったことに焦点を当てて書いています。
入院当日
救急車で運ばれた翌朝、入院セットを持って再度病院へ。
その日から内科病棟での入院生活が始まりました。
入院すれば抗生剤の点滴も 24 時間受けられる!
痛みが強ければ痛み止めも打ってもらえる!
これで耐え難い腹痛とはおさらばだ!と思っていたのですが・・・甘かったです。
なかなか引かない痛みに苦戦
入院して病室についてすぐ、抗生剤と痛み止めの点滴が始まりました。
抗生剤が効けばすぐに楽になると思っていたのですが、そんなにすぐに変化が現れるものではないんですね・・・
このとき初めて知りました。
おまけに痛み止めも全っ然効かない。
ひたすらベッドに横になって、痛みに耐える時間。
食事は出ないので、必要な栄養は点滴から摂取します。
ずっと点滴を打たれ続けていると、飲み物を飲んでいなくてもトイレには行きたくなるんですよね。
点滴をガラガラと引いてトイレへ。
これが地味にめんどくさくて。
ガラガラと一緒に狭いトイレに入り、またガラガラを引っぱってベッドに戻る。
途中で何度も点滴の管が引っかかるし、なるべくトイレに行く回数を減らしたくて飲み物を控えて我慢していたというのに・・・
流し込まれる点滴の威力に勝つことはできず、「もう!またトイレ!さっき行ったばかりなのに!」と誰にもぶつけられない怒りを噛み締めながら、トイレとベッドを行ったり来たりしていました。
仕事に打ち込み、痛みと暇をやり過ごす
幸いなことに、私の仕事はパソコンさえあれば場所を選ばずにできます。
いつ仕事が入ってもいいように、病室にもパソコンを持ち込んでいました。
ちなみに取引先には入院のことは伝えないことにしました。(仕事が減ると死活問題なので・・・)
するとちょうど入院したタイミングで、仕事の依頼がドッと舞い込んで来まして。
おかげで痛みと退屈を感じる暇もないくらい、てんやわんやで仕事をこなすことに。
ベッドの頭側を起こして寄りかかりながら、病室の小さなテーブルに置いたパソコンをひたすらカタカタと打つ作業。
意外と快適に仕事ができました。
いつもなら作業の手を止めてついおやつに手が伸びてダラダラしてしまったりするけど、病室には誘惑になるようなものが何もない。
普段よりも作業が捗りましたね。
後になってわかったのですが、病室へのパソコンの持ち込みは禁止されているようでした。
入院案内のパンフレットに「持ち込み禁止になっている物」の一覧が載っていて、そこにパソコンも含まれており。
やってしまったーと思いましたね・・・
とはいえ、看護師さんや主治医が病室に来てくれたときにも普通にパソコン作業をしていたのですが、特に何も言われなかったんですよね。
パソコンで仕事をしている人は私以外にもいそうだったし、時代の流れに応じてこの辺のルールも緩くなっているのかな?なんて自分に都合のいいように解釈することにしました。
この病院には患者さんが病院内で電話したい人のために「通話可能ゾーン」があります。
でもそこまで移動するのが大変そうな脚の悪いご年配の患者さんが病室で平然と電話をかけたりもしていて、そういうのもしれっと許されていたので、ある程度寛容な対応をしてくれる病院だったのかもしれません。
まぁルールとして決められている以上、本当はルールは守った方がいいんですけどね。
パソコンに関しては私が事後的に気づいたのと、病院の寛容さのおかげで無事に仕事をすることができたので感謝。
Wi-Fiが無いと詰む
このときの入院生活で一番困ったのが、Wi-Fi が使えないことでした。
予期せぬ虫垂炎、予期せぬ入院。
普段から在宅ワーカーの私は家にいれば Wi-Fi 使い放題なので、ポケット Wi-Fi なんて便利なものは手元にない。
おまけにスマホのパケット契約も 3G(ギガ)が上限で、それを超えたら 1G ごとに追加料金を支払わないと低速になってしまうという恐ろしいもの。
それでも泣く泣く追加料金を支払ってギガを買うしか方法がなく、ちょっと YouTube を見てはギガが足りなくなって追加購入ボタンをポチリ・・・
最終的に、めちゃくちゃお金かかりました。
数万円飛んだ。
消灯後にどうしても眠れないときはひたすら YouTube を眺めるくらいしかやることがなくて。
出費を気にしてギガを使わないように我慢してみようと思った日もあったけど、10 分くらいで挫折しました。
3 日以上の入院なら、ポケット Wi-Fi 必須ですね。
パケット使い放題の契約になってる人はいいかもしれないけど。
私みたいに、
- 普段はほとんど自宅の Wi-Fi で事足りる人
- それゆえにパケットの契約を最小限にしている人
こういう人はさっさとポケット Wi-Fi を契約してしまった方が安く済みます。
今やネットで申し込めば翌日には端末が届いて使えますからね。
私もそうすればよかった。(このときの教訓を生かし、その次の入院のときにはしっかりポケット Wi-Fi を契約しました!)
他患者のイビキが意外と脅威
入院生活を振り返ってみて一番きつかったのが、他の患者さんのイビキ。
夜だけじゃなくて日中もずっと地響きのようなイビキをかいて寝ているオバサマがいて、入院中はずっと寝不足状態でした。
大袈裟ではなく、本当に轟音で眠れたものじゃなかった。
私の平均睡眠時間、2 〜 3 時間だったと思う。
こういうのを耳栓で乗り切れる人もいるのかもしれないけど、私耳栓がどうしてもダメなんですよね・・・
何種類も試したけど痛くなってしまうし、何より異物感がすごくて眠れない。
そして遮音効果もそこまでじゃない。
寝不足で頭痛がひどくて看護師さんに相談してみたけど、「眠剤打ちましょうか?」と言われて終わりでした。
なぜ私が余分なお金払って余分な薬を体に入れなきゃならんの?と納得がいかず、眠剤は一度も打ちませんでしたけれども。
イビキすごい勢はイビキすごい勢で部屋をまとめてほしい。
ずっと頭痛と耳鳴りがひどくて、入院中はフラフラ&イライラがすごかったです。
イビキかいてる本人は気持ちよく寝て、こちらは眠れずにどんどん体調が悪くなるなんておかしいでしょ!というイライラ。
イビキ問題、もはや病気の域なんだから、本人と病院側でどうにかしてほしいですよねぇ・・・
食事が摂れないつらさ
炎症がおさまるまでは絶食ということで、何も食べられないのがつらかった。
食事の時間になるとガチャガチャと慌ただしく配膳が始まって、それと共に美味しそうな匂いが・・・
でも自分のところには当然ながら何も運ばれてこない。
それが地味につらかったです。
周りのベッドからは食事をする音だけが響いてくるし、この時間早く終われー!って思ってましたね。
なんだか自分だけが卑しい気持ちになっている気がして、情けなくなったり。
入院中ってこうしたひとつひとつの出来事に心が揺さぶられて、ちょっとしたことで悲しくなったり情けなくなったりしていたなぁ。
体が弱っているせいか心もダメージを受けやすくて、落ち込んだ気分になることが多かったです。
心の支えになったもの
虫垂炎の痛みがなかなかおさまらないことに加え、みんなが働いている時間にただベッドに横になっているだけの自分がダメ人間のように感じられて。
やっぱりどうしても情けなく思えちゃうんですよね。
世間から取り残されていくような感覚を味わったりして、なかなかにメンタルがやられました。
そんなときに心の支えになってくれたのがツイ友の方々。
私はリアルではそんなに友達がいなくて、深く親しくしている人は 2 〜 3 人だけなんですね。
そのリア友の人たちともそんなに頻繁に連絡を取り合うわけじゃなく、たまに会ってガッツリ話したり遊んだりという間柄。
入院中のストレスをリア友に垂れ流すのも違うよなぁという感じで、でも吐き出したくて、一度だけ入院していることをツイートをしました。
それを見た普段から仲良くしているツイ友の方々が「大丈夫か〜」と個別に連絡をくれて、そんなDMを泣きながら読んでいました(笑)
入院中ってこんなにも人との会話に飢えるんだなぁ・・・と。
コロナ対策で面会も許されていなかったので、本当に人と言葉を交わすことに飢えてしまって。
DMでやり取りをしたり、電話に付き合ってくれる人もいたり。
本当にありがたかったですね。
人との関わり、あったかいと思った。
1週間の絶食後、食事を摂れるようになったタイミングで退院
1 週間ほど絶食して、炎症の数値が正常値近くまで下がったところで食事が出るようになりました。
食事といっても栄養のあるいちごミルクをゆるく固めたゼリーとか、おもゆとか、具のないお味噌汁とか。
固形物は一切なく、お腹に負担をかけないメニューです。
▼ 食事が出るようになった日の夜ごはん
おもゆ、お味噌(具なし)、ちょっと甘さのあるミルクティーというラインナップ。
ミルクティーの甘さが嬉しかった!
絶食後は食べ物の味に敏感になるんだと思うんですけど、おもゆもお米の甘さが感じられるし、お味噌も出汁が効いてて美味しかった。
やっぱり食事が摂れるってすごく嬉しいし、味を感じられるって幸せなことなんだなぁと実感しましたね。
翌日にはお粥になって、そのまま飲み込めるくらい柔らかく煮た野菜なんかも出るようになりました。
3 日間( 9 食)かけて少しずつ固形物が増えていって、ご飯もお粥から普通に炊いたご飯になって。
食べてもお腹が痛くならないことを確認して、やっと退院になりました。
虫垂が残ったままなので、再発の不安は残る
このときの入院では虫垂を切除せず、ただ抗生剤で炎症を抑えただけでした。
虫垂が体の中に残っている以上、再発する恐れと不安はずっとある。
主治医の先生曰く、虫垂炎は再発するとその後も何度も再発するケースが多いらしく、もし再発してしまったときはさっさと手術しようということになりました。
再発までの期間は人それぞれとのこと。
短い人は数週間、長い人は何年も経ってから・・・
私はどうなるだろうと不安だったのですが、このときはまさかたった 2 ヶ月で再発するとは思ってもいませんでした。
そんなわけで、虫垂炎との戦いはまだ続きます。